投資のことを調べていると「分散投資せよ」という話が必ず出てくる。
分散すると大損害は避けられるかもしれないが、
それぞれの利益と損失が相殺されて
投資している意味がないんじゃないかと最初は思った。
しかし実際には違った。
ルーレットの赤か黒を予想するゲームで、
当たれば賭け金の2倍がもらえ、外れたら80%が没収されるとしよう。
どちらかに10万円を賭ける場合、当たれば20万円になる一方、
外れれば持ち金のほとんど(8万円)が失われてしまう。
2万円になってしまった持ち金を元の10万円に戻すだけでも
3回連続で当てないといけないため、状況は絶望的だ。
このやり方はギャンブルに近い。
成功者の話だけを聞いて自分もやりたくなるだろうが、
損をしてしまう可能性が多分にある。
そこで、赤と黒それぞれに5万円ずつ賭ける。
当たった側は10万円に、外れた側は1万円になる。
計11万円をまた半分に分け、赤と黒に賭ける。
持ち金は12万1000円に増える。
これを延々と繰り返せば確実に、
しかも運に頼らずに増やすことができる。
短時間で大金を手にする爆発力に欠けるものの、
時間さえかければかなり安心して金を殖やせる。
これが分散投資だったのだ。
この方法は時間がかかることだけがネックなので
「投資をするなら早く始めろ」というアドバイスになるのだ。