オナラは人前では控えることが常識のひとつになっている。
よほど打ち解けた仲であれば別だが、
そうでない相手といるときはオナラしないだろう。
くしゃみをしたり咳をするのは特に問題ない。
「あ、調子が悪いのかな」ぐらいにしか思われない。
しかし、似たような生理現象でもオナラは許されない。
臭いがあって人に不快感を与えるからかとも思ったが
咳やくしゃみは雑菌が含まれているわけで、
こちらの方がよっぽど害がある。
あまりにもオナラが差別されている。
自由にオナラできる場所が少なすぎる。
人によってはトイレでオナラすればいいと思うかもしれないが
これも割と嫌がられるだろう。
私もトイレでおっさんにオナラされたら嫌だ。
そこでオナラ専用トイレを作るのはどうだろう。
そこは放屁するためにある場所。
自由に放屁していい場所。
オナラ専用トイレ。
いや、「トイレ」と呼ぶと排泄する場所を表すので
区別するために「オナランド」と呼ぼう。
これからは政府の公共物予算の中にオナランドの建設費を含め、
街に公衆オナランドを建てる。
オナラをもよおしたら、すぐに近くのオナランドへ。
オナランドの中は照明が制限され、
他人の顔が見えないように薄暗くなっている。
オナ主のプライバシーを保護するためだ。
そして派手な音楽が流れてる。アップテンポなやつだ。
これで音が鳴るオナラでも
ドラムの音と区別がつかないだろう。
もしかしたらエレキギターの音になるかもしれない。
さらに超高性能の換気装置も設置する。
音のない臭いオナラでもすぐに消臭、
どこよりもクリアな空気に浄化するのだ。
人によってはオナラが出やすいように
軽く歩いてみたり飛び跳ねたりして
体の中からオナラをしぼり出す。
音楽が流れているので体も動かしやすい。
よく考えたら、これって「クラブ」じゃないのか。まさか。