これから芸を身につけようとする人が、
「下手くそなうちは、人に見られたら恥だ。
人知れず猛特訓して上達してから芸を披露するのが格好良い」
などと、よく勘違いしがちだ。
こんなことを言う人が芸を身につけた例は何ひとつとしてない。
―――「徒然草」現代語訳より
プライドが高い割に自己評価が低い人は
未熟な状態を他人から隠そうとするが、
先人からの有益なアドバイスや
周囲の協力や応援を得るチャンスまで失うので
結局、時間がかかったり挫折してしまったりする。
コソコソと努力を隠すことに神経を使うのではなく、
半人前の自分を認めてがむしゃらに努力した方が
確実に伸びるし、遠回りしなくて済む。
現代にそのまま通じる考察が
鎌倉時代の「徒然草」に書かれているのは驚きだ。