もうかなり昔になるが、
昼休みに学生に混じって昼食を食べていた頃、
食事を済ませた教え子が
食堂の片隅に売っている駄菓子をよく買ってきていた。
毎日のように買う中で
たまに当たりが出て喜んでいたが、
その姿を見てふとひらめいた。
仮説:
店頭ではたくさんの商品に紛れて当たりが入っているが、
製造工程では当たりとハズレを別々に作って
そのあとに混ぜているのではないか。
そして、異なる機械で作っているなら、
商品の仕上がりにも違いがあるのではないか。
店頭ではたくさんの商品に紛れて当たりが入っているが、
製造工程では当たりとハズレを別々に作って
そのあとに混ぜているのではないか。
そして、異なる機械で作っているなら、
商品の仕上がりにも違いがあるのではないか。
唐突なアイデアだったが、確認してみる価値はある。
どうせ時間を持て余していた昼休みなのだ。
検証1:当たりを手に入れる
この理論を立証するためには
サンプルとなる当たりとハズレが必要だ。
ハズレはすぐに手に入るが、
当たりに関してはがんばって手に入れるしかない。
当たりのサンプルを手に入れるため、
教え子は毎日のように駄菓子を買い続けた。
数日後、ついに当たりを引くことに成功した。
検証2:当たりとハズレの違いを見つけ出す
開封前に当たりを見分けるには
パッケージの中に違いを見つけ出す必要がある。
当たりとハズレをじっくりと見比べながら
パッケージの印刷品質の違いを探してみた。
かなりの観察の結果、教え子が
パッケージの封をしている部分に
わずかな違いを見つけ出した。衝撃が走った。
検証3:同じ特徴を持つものを店頭で探す
当たりだけが持つ特徴がわかれば
同じ特徴を持つ商品を店頭で探すだけだ。
しかしこれがかなりのネックだった。
当たりはわずかしか存在しないため、
かなりの数の商品を調べる必要があり、
教え子は駄菓子のパッケージを
ひとつひとつじっくりと眺める奇妙な存在となった。
長い時間をかけていくつもの商品をチェックし、
ついに当たりと思われるものに出会った教え子が
興奮した様子でその商品を買ってきた。
全員が見守る中、
ドキドキしながら開封してみた。
やはり出た。当たりだった。
理論が立証され、我々は歓喜した。