先日、謎解きを目当てにで京都ブライトンホテルに訪れたが、
周辺に飲食店らしきものがほとんどなく、
ホテル内のレストランも満席でほとほと困った。
Googleマップで検索しても1キロ圏内にはほとんど店がない。
唯一見つかったのが左端に見える「太郎」だった。
店名からして怪しすぎるが、他に選択肢がないこともあって
ちょっと様子を見に行くことにした。
iPhoneに表示された地図を頼りに進むが、
まだ夜7時というのに女性1人では歩けない雰囲気。
古い住宅地といった感じで人通りは皆無だし、
本当にこんなところに店なんかあるのかと不安になる。
もしかしたらもう閉店した古い店舗情報が
Googleマップに残っていたのかもしれない。
そう思いながら歩いていると、暗闇に光る「太郎」の文字。
「こんな場所に本当にあったのか」と驚いたが、
どう見てもマンションだし、店らしきものがない。
「OPEN」と掲げられた看板が置いてあるが、
どうにも住民用の地下駐輪場にしか思えないのだ。
恐る恐る進んでいくと、まさかの店構えが目に入る。
住民しか立ち入らないようなマンションの地下、
しかもその奥の奥に太郎があった。
この時点でも引き返そうか悩んでいたのだが、
本当に他に行く店がなかったため、
最後の勇気を振り絞って進んでいく。
いよいよ太郎の目の前に行くと
アジアンゴシックを思わせるような装飾に。
なぜこんなにも怪しさ全開の雰囲気にするのか。
初代プレステの「クーロンズゲート」を思い出す。
「イマイチだったらすぐ出よう」と思いながら店内に入り、
まずは揚げ出し豆腐のような無難なメニューを頼んでみる。
と、これが悪くない味と量。
ソフトドリンクも280円でなみなみと入っているし、
注文してから出てくるまでが異様に早い。
刺身の盛り合わせはかなり満足できるクオリティだし、
コロッケや牛肉炒めのようにメニューには
いちいちキャベツの千切りまで添えられている。
780円の鶏雑炊を2人分頼んだら
鍋にたっぷり入った状態で出てきたので
「これはなかなかのボリュームだぞ」と小皿に取り分けてたら
同じ鍋がもうひとつ出てきて
「鍋ひとつで1人分だったの?」と驚いてしまった。
酒を飲まなかったとはいえ、
2人で限界ギリギリまで食べて6000円ちょっと。
実は太郎は非常に良心的な店で、
入るときの不安とは裏腹に大満足だった。
今度はもっと腹を空かせて訪れたい。