プチメタ3.0

刺激を受けた物事に対する感想や考察、自己成長や資産運用、ゲーム作りに関することなど。


ファミコン時代にカプコンが作ったホラーゲームが忘れられない


Sweet Home, Famicom Japanese NES Import by Capcom [並行輸入品]


カプコンが作ったホラーゲームといえば
ほとんどの人が「バイオハザード」と答えるだろうが、
私は「スウィートホーム」を挙げたい。


1989年にカプコンが発売したファミコン向けRPGだが、
恐怖を煽る独自のルールがあってめちゃくちゃ強烈だった。

複数のパーティを切り替えて進むシステム

5人の取材班がある屋敷を探索するという設定だが、
なんとパーティの人数が最大3名に限定されており、
最低でも2つのグループに分けて
操作を切り替えながら進める必要がある。


操作キャラクターが奇数なので
3人と2人という偏った分け方にするしかなく、
自然と弱いパーティが生まれる仕組みが絶妙。


それなら強い3人で組めばいいと思うかもしれないが、
障害を突破するためのライターや掃除機、カメラといった
固有のアイテムをひとり1つずつ持っているので
誰かを放置してゲームを進めることは不可能。
(「ライターぐらい貸しといてくれよ!」と何度も叫びたくなるが)


アイテム欄も1人2枠しかないので
誰に何を持たせるかという配分や
今後のために一旦拾わずにおくなどの判断が非常に重要。


置き去りにしたメンバーのアイテムが必要になったり、
橋を渡っていたらいきなり崩れて強制的にパーティが分断されたりと
非常によく考えられたシステムになっている。

宿屋も道具屋も存在しない

本作はRPGというジャンルにも関わらず
体力を全回復させる宿屋のような場所や
アイテムを売り買いする道具屋が存在しない。


体力の回復は屋敷内に落ちているアイテムを利用するしかないのだが、
回復する機会が有限だと思うとめちゃくちゃ怖い。
屋敷内に回復薬がいくつ残っているのかがわからないため
安易に使うわけにいかず、常に不安を感じるのだ。

精神力を削ってくる敵の数々

「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」では
スライムやゴブリンといったモンスターがお馴染みだが、
本作では腐乱死体や生霊、呪いの人形といった
ホラー映画を思わせる敵ばかりが登場する。


ファンタジーRPGの世界観で育ってきた子供が
戦闘シーンで蛆虫の大群に出くわした気持ちを想像して欲しい。


また、どこでもセーブができるものの
一定の歩数を歩くと敵と戦闘になる仕組みなので、
セーブポイントからやり直したところで
敵に遭うのは避けられないようになっている。

死んだキャラクターは復活しない

ただでさえ3人ずつでしか行動できないのに
死ぬとパーティからいなくなり、2度と復活できない
そうなるとパーティは弱体化するし、
キャラクター固有のアイテムが使えなくなるので
代替手段や回り道を探す必要が出てくる。


数人の仲間を失いながらもボスに勝つ、という戦い方は
その後の攻略が行き詰まるだけなので本作では使えない。
実際、行き詰まったときのために
「ギブアップ」というメニューまで用意されているだが、
RPGなのに身近に挫折を感じながらプレイするのが怖かった。

5種類ものエンディング

なんとファミコン用ソフトにも関わらず
生き残った人数に応じて5種類のエンディングが用意されている。
当時はマルチエンディングというシステム自体が珍しく、
非常に贅沢な思いを感じたのを覚えている。


さすがに5回もプレイするのは大変なので、
5人全員を生き残らせてクリアしたあと、
直前でセーブした場所に戻って
1人ずつ殺しながら全部のエンディングを楽しませてもらった。

またプレイしたい

差別化しようと独自のシステムを取り入れるゲームは多々あるが、
「スウィートホーム」はその中でもかなり成功した例で、
恐怖を感じさせつつ攻略の幅がある名作だ。
いくつかの要素は「バイオハザード」にも継承されており、
のちのホラーゲームの礎になったことは間違いないだろう。


現状、リメイクや移植されている場所がないため、
ファミコン本体を手に入れる以外にプレイする手段がないが、
ぜひもう一度遊んで当時を思い出してみたい。



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