互いの勝率が等しいような場面でも
資産を多く持つ者の方が生き残りやすく、
金がない者が逆転するチャンスはどんどん失われるという理屈。
(すべて英語だが、日本語で紹介しているサイトもある)
本当かどうか確認したくなったので、
自分で簡単なプログラムを作ってみた。
- 2人の人間が賭けをする
- 勝率は常に50%
- 賭け金は所持金の20%で、少ない側に合わせる
たったこれだけのシンプルなルールだ。
サイコロの偶数奇数やコインの表裏を当てるような
互いの能力や知識にまったく左右されない勝負を想像して欲しい。
とりあえず両者の所持金を1万円としたので、
何度か勝負を繰り返してみて欲しい。
参加者A | 参加者B |
所持金: | 所持金: |
勝ち数: | 勝ち数: |
次の賭け金:
前回の結果:
勝率が50%ならいつまで経っても
両者の所持金は1万円前後を維持するように思えるが、
実際にやってみるとそうはならない。
確かに何度繰り返しても互いの勝率はほぼ変わらないが、
一度所持金に差が付き始めると
その格差がどんどん広がっていって
金のない方は対抗できなくなるのがわかる。
賭け金は20%だが、少ない方に合わせる関係で
金がない方は常に所持金を20%失うリスクを背負い、
金のある方はそれよりもっと低いリスクで勝負できるのだ。
おそらくビジネスの世界でも同じことが言えるだろう。
資金力があるほど少ないリスクで競合他社に匹敵する冒険ができるので
巨大企業ほど成功を収めやすくなり、
徐々に彼らが市場を独占していく流れになる。
身近なサービスでも思い当たる部分があるはずだ。
「ヤードセールモデル」と言われるようだが、
一見公平に見えても富の集中が自然と起こり、
金のない者にとって不利な状況が続くという辛辣な理論だ。