20年ほど前にゲームボーイアドバンス向けに登場し、
そのコミカルなノリと独特な世界観で
多くの支持を集めた「リズム天国」だが、
2015年に発売されたニンテンドー3DS版を最後に新作が出ておらず、
あの独特な面白さが体験できる機会を失っている。
音楽ゲーム自体は今でもリリースされているものの、
そのほとんどが画面端から迫ってくるノーツが
手元のラインを通過するときにボタンを押す仕様ばかりで
「音ゲー」ファン向けの設計なのだ。
どのステージも曲と難易度が変わるだけで代わり映えしない。
「リズム天国」はそんな定番を大きく崩し、
リズムだけに特化してゲーム性に結びつけていることと、
各ステージのシチュエーションや見せ方に
いちいちセンスがあって笑えてしまうのが魅力なのだ。
あの面白さをもう一度味わいたく、
現行ゲーム機で再販されることを願っているのだが、
そんな中、そのテイストを感じさせる海外ゲームを見つけた。
それが「Melatonin(メラトニン)」だ。
残念ながら日本語に切り替えるオプションがなく、
メニューはもちろん各ステージのチュートリアルも
英語でしか表示されないのだが、
音に合わせてAボタンやLRボタンを押すだけなので
メッセージをまったく読まなくてもほとんど問題はない。
「リズム天国」と同様に画面にノーツの表示はなく、
ステージごとに異なるシチュエーションを舞台に
リズムに合わせてキャラを操作していく流れとなる。
少し残念なことに操作に関する誘導が下手なので
いつどのボタンを押せばいいのかが初見ではわかりにくく、
各ステージとも1プレイを犠牲にしてコツをつかむ必要があるが、
やり方がわかるとリズムゲームの気持ちよさが漂ってくる。
夢の中を舞台にしているだけあって
いろいろな世界観が楽しめる上に
パステルカラーで描かれたグラフィックもかわいらしい。
「リズム天国」シリーズにはまだまだ及ばないが、
普段、音楽ゲームをプレイしない人たちが
ちょっとそれっぽい楽しさを味わえる作品。