プチメタ3.0

刺激を受けた物事に対する感想や考察、資産運用や英語学習、自己成長に関することなど。


むしろ無駄が多くなる本末転倒な節約術たち



その節約、意味ないでしょ!

世間で頻繁に節電・節約が叫ばれるようになったが、
会社としては経費削減に直結するもんだから
どんどん社員に励行させるようとする。

しかも環境問題だの原発問題だのが裏にあって
不便を強いられても節電・節約案に反対しにくいから分が悪い。

でも「それ絶対意味ないだろ」ってこととか「本末転倒だろ」ってことが、
いろんな会社でいっぱい起きてるはず。
おバカな上司の勝手な理論で不便を強いられつつ、
環境にも節約にも役に立っていない何かが。

うちの職場では、用紙がもったいないから
裏紙を積極的に使用していこう、って方針が出たんだけど、
ある日、
「余ってる裏紙はないですかー? 裏紙が不足していますー」
って連絡が回ってきた。

バカか。バカバカ。
目的は余分な資源の再利用なんだから
裏紙がなけりゃ新しい紙を使えバカ。
片面だけ使っている紙を募集する手間、
探すバカらしさをもっと見つめ直せ!

読者の方からも寄せられた
さまざまな本末転倒な節約術を紹介してみよう。

下のフロアに行くときはエレベーター禁止

「うちの大学のエレベータ前の張り紙、
 『節電のために下りの人は極力階段を使用してください』
 結局、下の階の人が無人のエレベータを毎回呼び戻すことに…」


バカバカ!それ意味ないから!
空っぽで下りてくるエレベーターに
人を載せないことに何の意味があるの!

エレベーター利用を我慢させるなら
登りより下りの人の方が楽だから、とか思ったんでしょ!
もしかしてエレベーターを動かすにしても
人が乗っていない方が節電できる、とか思ってるんでしょ!
空っぽの方が軽いから
弱いエネルギーで動かせるとか思ってるんでしょ!

バカバカ!
エレベーターはロープを通じて重りと釣り合ってて
モーターでそのバランスを操作してるんだって!
エレベーターが下りてくるときは重りを引っ張り上げないといけないから
乗客の重さを利用できない空っぽのときの方が大変

わざわざエネルギーを消耗する上に
大学生を疲れさせる無意味ぶり。これは上質の本末転倒ネタです。

空き箱を大量に保管

オリーブ
「再利用して細かい物を整理したらいいと言って、
 空いたお菓子の箱ばかり取っておき、それがかさばって
 結局、整理整頓の邪魔になっているとか。何をやってることやら」


あー意味ないよ。意味ない。
「何かに使えるかも」と思って残しておいて
何の役にも立ってない物の多いこと。
たまに役立つことがあってもその打率の低いこと。
片づけるための箱が、
散らかってる原因の第一になってたり。あー意味ない。

手に取った瞬間に使う目的が思いつかない物は全部捨てろ!
使うかもしれない確率より
使わないかもしれない確率の方が上だと知れ!
使わない物を置くために失われる土地をもったいないと感じろ!
他人が捨てようとしてる物を「何かに使えるかも」と引き取るな!

本当に必要な場合はどうとでもなる。必要なら買え。
なんでも潔く捨てる人が
「ちょうどいい箱がない」と困ってるのを見たことがないのは
捨ててもどうにかなるからなんだ。未練を断ち切れ!

物を無駄にしないつもりが
スペースを無駄にしている本末転倒ぶり。
1年使わなかった物はどうせ来年も使いませんよ。

裏紙を使って印刷

「裏紙を使う事になったんですが、頻繁に紙づまりが起きてしまい、
 メンテナンスの回数が増えて
 余計にコストがかかってしまったことがあります」
「裏紙に利用する紙に関して、
 『カラー印刷したものはドラムに張り付く事があるから
  捨ててください』
 と言っても入れる奴がいます。資源がもったいないからだそうです。
 プリンタの掃除をする私の時間とか、
 修理呼ぶ手間とか修理代より資源が大事みたいです」


同様のネタ多数。あー意味ない。これも意味ないよー。

プリンターにしてもコピー機にしても
新品の綺麗な紙が通過する前提で付けられてる内部部品があって
用紙の印刷面には紙送りのローラーとか
ガイドが触れないようになってる。

裏紙を使うってことは、本来綺麗なはずの面にインクが載ってる上に
さんざん誰かが触って手垢とか汚れとかホコリが付いてるような
やたらベタベタして摩擦も均等じゃない紙が機械内部に送られる。

そりゃ詰まるよ。むしろ詰まらない方がおかしいわ。
プリンターとかコピー機はそんなオフロード仕様じゃないから。
あなたが思ってるよりよっぽど繊細だから。
コピー用紙の厚さが0.08~0.10ミリって知ってるのか。
そんな世界にインクとかホコリとか付けられたらもう無理。あー無理。

でも紙がもったいない、資源だからってか。
わかる。わかるよ。紙は大切な資源ですよ。
でもプリンターの部品は資源じゃないのか。
壊れたプリンターを直すために
どれだけの資源が失われてるのかわかってるのか。
あなたの言う「資源」は紙の原料だけなの?

こういう人ってなぜか「裏紙を使うことはOK」としてたり。
「あ、紙?裏紙ならいっぱいあるよー。どんどん使って」
ってニコニコしながら用意してくれたりね。親切にね。
いやいや、資源を大切にするなら裏紙の消費も抑えろよ。
なにか。目の前の白紙さえ減らなければ
あなたの資源節約は達成できるのか。白紙だけが大切か。

あー、コストダウン?確かにね、紙もタダじゃないからね。
裏紙使った方がコストダウンになるからってね。
でも印刷物のコストの大半は用紙代じゃなくて
インク代とメンテナンス代だから。
白紙でも裏紙でもカウンターは同じように1上がるよ。
そもそも裏紙使って故障した機械の修理代は加算してる?

本当にコスト削減したいなら
「裏紙使用の推奨」じゃなくて「ペーパーレスの推奨」でしょ。
白紙使う人は悪い人で裏紙使う人はいい人、とかじゃないでしょ。
裏紙に印刷したその資料はホントに印刷する必要あったの?
メール添付じゃダメなの?PDFならスマートフォンでも読めるよ。

え?紙に印刷した方が読みやすいから?そうですか。

ギリギリまでエアコンの使用を我慢

FAIL
「うちの職場の上司の話ですが、計画停電の話が出始めた頃
 暑い中、午前中は節電と言ってクーラーをつけずに窓を開けて過ごし、
 午後の暑さに耐え切れなくなったら
 クーラーを入れるということをしておりました。
 午後の一番暑い時間帯に電力使用が高いので
 節電してくださいというのが本来の姿だと思ったのですが、
 やっていることは全く意味のない午前中の節電でした」


あー辛い。これも辛い。
ピーク時の節電が叫ばれるようになって
こういうやり方がすごく多い。
節電という面では効果はあるかもしれないけど、
見えないマイナスが大きいことを想像しないタイプ。

職場や学校で節電を実施すると
たいていエアコンと照明に目を付けられる。
電気を使うものとして目立つし、ON/OFFの区別がしやすいし。

でも、エアコンや照明を切ることで
そこで仕事や勉強している人のモチベーションや
作業効率の低下につながることもしっかり認識すべき。
無理な節電を強いた結果、学力が伸び悩む学校や
本来の業績を出せない職場が必ずある。
それでも節電を強行すべきなのか。その必要があるのか。

基本的に「我慢」と背中合わせになっている節約はよくない。
たちが悪いことに、節約の効果は数字で確認しやすいけど、
何かを我慢したときのマイナスは確認しにくい。
でも、そこには節約によるプラス以上の
マイナスが発生してたりする。

必要なときにエアコンや照明を使うことは「無駄」ではない。
必要なのに我慢することを「節約」と呼ぶのもやめろ。

そもそも「電気は貯められない」という大原則をちゃんとわかれ。
発電量に余裕があるときに無理に節電をしても
今、発電している電気が明日使えるじゃない。
節電は節水とは根本的に違うんだから。

発電量100に対して使用量が100を超えると停電するから
それを超えないように節電するのはわかるが、
80しか使っていないときに
節電して70に減らしても大した意味はない。
そのときに我慢した電力は報われないまま消える。

しかし我慢したことで発生した
仕事や勉強面でのマイナスは明日以降に響くのだ。
快適な環境を維持していれば発生しなかったマイナスによって
本来、達成できていた目標に届かなくなるかもしれない。

「節電=我慢」「節約=我慢」というのは大きな間違い。
そんな方法しか思いつかないのが悪いのだ。
無駄を省くのは「節約」だが、必要を省くのはただの不便だ。

ペットボトルのフタ集め

「ペットボトルのフタ回収ですね。ワクチンができるんだっけ?
 リサイクルだかなんだかしらないけど、
 各地で集めたフタを1箇所に集めるガソリン代だけで
 もう赤字だろって思います」


あー、エコキャップ運動ね。これもう最悪。最悪の極み。
以前も書いたけど、もう疑問だらけ。

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一番の問題点は目的があやふやなところ。
「ワクチンを送りたい」のか「キャップリサイクルを促進したい」のか
「環境保護したい」のかわからない。
キャップを集めるだけで全部が達成できると思ってるから
無茶苦茶になる。まず何がしたいのか言え。

本気でワクチンを送りたいなら
キャップ集めはその手段として効率が悪すぎる。
キャップ400個集めて洗って乾かして送って
やっと10円分稼ぐぐらいならさっさと現金使え。
バイトで稼いだ小遣いから1000円でも出せば
それだけで50人の子供が助かるんだろう?

「子供たちのため」とか悦に入ってキャップ洗ってる暇があったら
皿洗いのバイトでワクチン代稼ぐ方がよっぽど効果的。
同じ洗うならキャップより皿だろ。その方が金になる。

キャップのリサイクルを推し進めたいなら
ワクチンとかの話は忘れて、ペットボトル本体だけじゃなく
キャップもなんらかの回収ルートに載せるよう
みんなに浸透させるような行動をすべき。

個人が他人の分のキャップまで回収してどこかに持っていくなんて
片手間でやったところでリサイクル効果としては小さすぎる。
日本全国で毎日消費されるペットボトルのキャップを
どうやってリサイクルすればいいのか
マクロな視点で考えないと意味ない。
そしてそれはワクチン目的ではなくリサイクルが目的であることを
きちんと主張しないと意味がない。視点がボヤける。

環境保護が目的なら、今すぐエコキャップ運動をやめるべき。
軽くてかさばるキャップを輸送したり
キャップをリサイクルするときに消費されるエネルギーと資源を考えると
今はまだ総合的に環境へのマイナスの方が大きい。
やればやるほど環境にダメージを与えると認めろ。

でもこの運動の怖いところは、ちょっと調べただけで
こういう意見がうじゃうじゃ見つかるのに
それを認めず聞き入れず黙々とキャップを集めるところだ。
常識で考えた筋が通った冷静な意見を言われても
「確かにそうだ」と考え直さずに
ひたすら今日もキャップを集めて洗ってる。
病気の子供のためでも環境のためでもなく自分のために。

これはもう宗教だな。エコキャップ教。
キャップを集めて洗って運ぶだけで
誰かの役に立ってる気分に浸れる宗教。お手軽ー。

節約している人が正義という誤解

読者の方から募集した本末転倒な節約ネタ、結構な数が集まった。
それだけ各地で理不尽な思いをしてる人がいる。
(メールを送って頂いた方、ありがとうございます!)

節電を含む、節約が推奨されるようになってから
節約にとことんのめり込む人を見るようになった。
節約自体は褒められる行為なんだけど、
徐々に目的を見失い、環境やコストのためというより
自分なりの節約術を遂行することが目的、みたいな人が増えた。

そして
「節約してる自分は正義!
 私の方針に従わない人は節約に非協力的な敵!
 環境やコストのことを考えない悪!」
と考えている感じすらする。

そういった人に環境保護、コスト削減という観点から
「この作業って無意味じゃない?逆効果じゃない?」
と冷静に申告してもなぜか受け入れてくれない。
その人の方針を否定するような情報は聞き入れないし、
「私の理屈が正しいの!」と意見を変えてくれない。
今まで自分がやってきたことが
無意味だと思いたくないからなのか。

でも本当に環境のこと、コストのことを考えるなら
自分の信じていた理論が間違っているとわかったときに
あっさり方針を転換するべきじゃないのか。
何かを節約するために、より大きなものを無駄にする場合は
その節約術は必ずしも効果的でないと認めるべきじゃないのか。
フラフラと方針を変えることになっても
そのときの最適解を実行できる人の方が
環境やコストへの貢献度が大きいのではないか。

もっと言えば、環境やコスト面では効果がある節約術でも
それを実行するために周りの人に辛い思いをさせたり、
我慢を強いるようなときにはよく考えて欲しい。
辛い思いをさせて周りの人が全力を出せないような場合、
それはみんなにとってマイナスが大きすぎる可能性がある。

自分の理屈だけを信じて盲目的に節約術を遂行するのではなく、
総合的な視点から見ても効果的なものを、
周りの人との確執を生まない範囲で実行すべきだ。

そして自分のルールに従わない人が
環境保護・コスト削減を考えない人だというのも誤解だ。
みんな少なからず節約意識はあるし、それぞれの方法で協力している。
自分の手段と異なるからといって意識が低いわけではない。

大事なのは広い視野と他人との調和、
新しい情報を柔軟に取り入れる姿勢だ。
目と耳をふさいで独走する節約術はそろそろ終わらせて欲しい。

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