プチメタ3.0

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就活後ろ倒しの実態

f:id:IKUSHIMA:20180120103329j:plain 学生を学業に専念させるためという名目で
2016年卒の学生から就職活動が後ろ倒しになったが、
毎年、就職活動の学年を受け持っている身として書いておく。

●採用時期の異なる企業が混在して長期化する

就職活動が学業に影響を与えるのは事実で、
授業を抜けたり学校行事に参加できなかったりする。
ただ、大学生や専門学校生の大半は
希望の就職を果たす目的で入学してきたはずだし、
就職活動の期間を短くすると競争が激しくなり難易度が増すので、
後ろ倒しは就活生にとってのデメリットも多い。

学校の方も就活と並行して授業を進める覚悟をしているし、
就活スケジュールが変わると
今までのノウハウを再調整する手間がかかるので面倒だ。

そもそも就活時期後ろ倒しのルールは経団連が決めただけであり、
団体に加盟している企業以外には無関係なものだ。
つまり、ルールに縛られない会社とそうでない会社が混在するため、
市場での採用活動は早く始まり遅くまで続く「長期化」になる。

また、ルールを守って採用活動を遅らせるはずの会社も
他社が就活生を採っていくのをボーッと眺めてたりはしない。

●結局、企業は水面下で採用活動をする

さて、採用時期を遅らせるはずの会社はどうするかというと
「目立たない方法で早めに採用活動する」のだ。
「ルールを守っていない!」と叩かれないように動く。
早くから採用活動する同業他社に勝つにはこれしかない。

ルール上、会社説明会は3月以降、
試験や面接などの審査は8月からしかできないのだが、
仕事を体験する「インターンシップ」なら問題がない。
本来の意味では職種や業界の理解のために
短期間だけ課題や疑似業務を体験する企画だが、
これを使って学生を集め、審査も含めてやってしまうのだ。

業界を理解するためのセミナーという名目で
会社情報を存分に含めた説明を語り、
課題と称して試験をやってしまえば良い。
その過程でディスカッションしたりプレゼンしたりする課題を用意すれば
正式な面接審査をせずとも採用基準に照らし合わせることができる。
そうやって採用したい学生を探し、
具体的な合否を出してしまうのだ。

ちなみに採用内定は10月まで出せないルールのはずだが、
そんなときは「内定を出す予約」として「内々定」を出す。
10月になった段階で正式な内定を発行すれば
すべてルールの範囲に収まってしまう。
「面接していないのに内定が出るのはおかしい」などと言われそうなら
8月になった段階で内々定の学生に、形式程度の面接をすればよい。

これなら
「インターンシップ(~7月)→ 面接(8月~)→ 内定(10月~)」
のルールを守りながら従来と同じ採用過程を経ることができる。

●結局、早く動いた方が得

実際問題、私が受け持っている学生も
後ろ倒しになる前とまったく変わらない時期に内定を手に入れていた。
小さな会社ばかりではなく、かなりの大手も含めてだ。
それぞれの立場のメリットを考えれば当然そういう結果になる。
バカ正直にルールを守っている会社だけが損をするし、
後ろ倒しになったはずだからと油断している学生は置いてけぼりを食う。

法律並の厳格な規則ですべての会社を従わせない限り、
「早く動いた方が得」という状況は変わらない。
次の世代の就活生もくれぐれも油断しないで欲しい。


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