「学生や若者にお腹いっぱいになって欲しいから」という理由で
歳を取った店主が大盛りの料理を安価で提供する定食屋が
テレビで紹介されることがある。
お年寄りの親切心を感じる美談として語られることが多いが、
あれはもしかして経済の発展を妨げているのではないか。
年金で生活できる高齢者は利益に固執する必要がないため
原価ギリギリでも商品を提供することができるわけだが、
そうすると周囲の店は太刀打ちできないだろう。
人手不足を解消するために時給を上げたくても
年金暮らしの夫婦が営む定食屋は人件費ゼロなわけだから
現役世代の経営者が勝てるはずもないし、
新たな雇用を生む機会も失われてしまう。
胃袋の容量は限られているので
安い店で満腹になった人々は他の店に行くことがなくなり、
世の中の経済は徐々に縮小していくだろう。
若者たちの今後を本当に考えるなら
働いている世代が稼ぐチャンスを奪うべきではないし、
物価の安さを単純に喜ぶ風潮を変えなければならない。