プチメタ3.0

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Kingdom Rushにはタワーディフェンスの醍醐味がすべて詰まっている

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ec.nintendo.com

タワーディフェンスというジャンルは
ゲームとしては珍しく守りに特化したもので、
敵の進路に多数の兵器を配置し、
自陣の防衛ラインに来るまでに殲滅していくのが目的だ。


強力な兵器を設置するにはコストがかかるので、
どこにどんな兵器をどの程度置くかという配分が重要。
ゲーム中は常に金策に苦しむことになるが、
曲がり道や分かれ道など
ひとつの兵器が多くの敵と接する場所は
費用対効果が大きくなるので狙い目だ。


Kingdom Rush Frontiers」には
そういったタワーディフェンスの面白さが凝縮されていて、
一旦遊び始めるとズルズルと時間を投じてしまう。


兵器をどこに配置するかだけでなく
パワーアップの方向性まで選べるので戦略の幅が非常に大きいし、
臨機応変な対応が求められるステージギミックに驚かされる。


難易度カジュアルでも結構な歯ごたえがあるが、
限られたコスト内で敵の猛攻をしのぎ切れると非常に気持ちいい。

人生の半分はトラブルで、残りの半分はそれを乗り越えるためにある

人生の半分はトラブルで、
残りの半分はそれを乗り越えるためにある



物事がうまくいかないことを嘆いたところで
そのトラブルがなくなるわけではないし、
それならトラブルありきで考えておいて
前向きに解決に取り組む方が生産的じゃないかな。

クラウド版のバイオハザードに心底ウンザリした


www.residentevil.com


バイオハザード7 レジデント イービル」はPS4をはじめとする
さまざまなプラットフォームで発売されているが、
Nintendo Switch向けにはクラウドバージョンが提供されている。


本来、ゲームに関する大半のデータは
ゲーム機の内部に保持されており、
グラフィックの計算や操作に対する判定は
すべてゲーム機本体で処理するようになっている。
そのため、高品質なゲームほど高性能なゲーム機が必要になる。




これに対してクラウドゲームというのは
インターネット上にあるサーバーがゲーム機を肩代わりし、
最終的な映像情報だけをプレイヤー側に配信してくる。
つまり、インターネットの向こうにあるパワフルなマシンまで
コントローラーのケーブルが長く伸びているイメージだ。


家庭にあるゲーム機はコントローラーの操作情報をサーバーへ送り、
サーバーが作った映像を受信するだけなので、
それほどパワーがなくても高品質なゲームがプレイできる。

実際のプレイ状況

クラウドバージョンのバイオハザード7では
最初にクライアント用ソフトを無料でダウンロードする。
これにはゲームデータが含まれていないので、わずか63MBしかない。


プレイを開始してから15分が経つと
体験プレイ終了のメッセージが表示されるが、
180日間プレイできるチケットを2000円で購入すれば
そのまま継続してプレイできる

その後公開されたバージョンで買い切り型に変更された。




いざプレイするとグラフィックはかなり綺麗で
他のSwitch用ゲームよりも圧倒的な迫力がある。
このレベルがプレイできるのはスゴイ、とこの時点では期待した。




画面左上にはWi-Fiの電波マークのようなものが常に表示され、
サーバーとのデータのやり取りの安定具合を表すが、
なぜか4段階のうち下から2つ目のレベルを指している。
ちなみにSwitchはテレビ出力・無線LAN接続した状態だ。




我が家のルーターまでのダウンロード速度は平均90Mbps。
そこからさまざまな機器を無線LANで接続しているが、
日頃、YouTubeやAmazonプライムビデオに関しても
ほぼ最高解像度で視聴できているし、
何かをダウンロードするときの速度も問題ない。




メーカーが公式で提示している8Mbpsという基準も
大きく上回っているので推奨条件は十分にクリアしているはずだが、
いざプレイしてみると操作に対して映像が0.5秒ほど遅れる


時間にしてはわずかだが、
こちらが予想している反応と常にズレるので
自分でプレイしていながら酔いそうになる。




実際に動画でコントローラーの操作と
画面の動きを比較してもらうと遅延具合がよくわかるだろう。


このズレがシューティングゲームとしては致命的で、
さんざんFPSやTPSを遊んできた経験がありながら
ヘッドショットがなかなか当たらず、
最初の戦闘で2回もゲームオーバーになった。


その後なんとか突破したものの、あまりに先が思いやられたので
初心者向けの難易度に変えることにした。
しかもプレイ途中で難易度が変えられない仕様なので
中断してもう一度最初からやり直した。




その後も操作の遅延のせいでさんざん苦戦させられ、
たまに音も飛ぶというストレスな状況が続いた。
通信が不安定になると
YouTubeと同様のブロックノイズが出る。




ひどい場面だと画面が止まったり映像が飛んだりする
そのせいでボス戦はもちろん、ザコ敵にもひどく苦労した。
弾薬も回復薬もずいぶん無駄になった。




さらに状況がひどくなると警告メッセージが表示され、
この状態が長時間続くと強制的にゲームが終了されてしまう
山場を超えたところでセーブもされないまま
何度か強制終了されたので心底ウンザリした。

クラウドゲームの問題点

半年間に対して2000円という料金は十分に安いと思うが、
プレイの遅延は想像以上にストレスだった。
ルーター側のログを見ると
ダウンロード量は1時間あたり1GB程度だったが、
それでもゲーム中の大半で遅延が発生した。


遅延がどの程度ストレスになるのかは
ジャンルにもかなり左右されるだろう。


動き始めが遅れるのはそれほど問題ないが、
スティックを離してからもしばらく動いてしまう上に
その遅れ具合が常に変化するので
狙ったところで移動や振り向きを止めるのが非常に難しい。
そういう意味で3Dシューティングは一番相性が悪かった。


www.itmedia.co.jp

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クラウドゲームはGoogleのSTADIAなどでも話題になったが、
環境のせいでプレイに失敗すると
かなりの理不尽さを感じることを痛感した。


MMORPGをはじめ、タイミングやスピードを要求しない作品なら
そこまでストレスは感じないかもしれないが、
このあたりが解決されない限り、
クラウドゲームは受け入れられないだろう。


※2022年11月12日追記
mclover.hateblo.jp

反面、続編となる「バイオハザード ヴィレッジ」は
非常に楽しむことができたので、
ぜひそちらのレビューも読んで欲しい。



mclover.hateblo.jp

モザイクを消す処理のアイデアを聞いて感嘆した


映画でよく見かける場面で、
防犯カメラなどの映像から対象人物を特定し、



グッと拡大したモザイク状の映像を
解像度の高い滑らかなものに加工する処理がある。


いろんな作品でこういった場面を見るたび、
「これはウソだ」と毎回思っていた。


というのも、モザイクになった段階で
元画像の情報が失われているからだ。

モザイク処理の原理


解像度の高い写真や映像があったとする。




コンピューター上の画像は
「ピクセル」と呼ばれる小さな四角形の集まりなので
大きく拡大すると色のついた正方形が並んでいる。




これを一定数、たとえば4×4ピクセルずつに分け、
範囲内の16ピクセルの色の平均値で区画内を塗りつぶす。




これをそれぞれの区画で行えば
元の色がぼんやりと反映された粗い画像になる。




これがモザイク加工の原理だ。




ひとつの区画を4×4よりももっと広い範囲にすれば
モザイクがより粗い状態になる。


つまり、モザイク化された画像は
本来の色が塗りつぶされてしまっているので
復元が不可能なのだ。


しかし数年前の金出武雄氏の講演で
これを解決する手法を聞いて衝撃を受けた。


reblog.hateblo.jp

大量の顔データを用意する


まず、顔データを大量に用意する。
今はビッグデータの時代なので
あらゆる国籍や年齢の写真が手に入る。






次に、それぞれの顔写真を
何段階かの粗さでモザイク化する。
仮にこれを「モザイクチェーン」と呼ぶ。

復元したい写真をあえてモザイク化する


さて、解像度の高い状態に復元したい写真があるとしよう。
モザイクになった時点で元の情報が失われているため、
これよりも細かい状態にさかのぼることはできない。




しかし、より粗いモザイクに加工するのは問題なくできる。
そしてこれはモザイクチェーンの後半部分に相当するはずだ。


そこで、あらかじめ用意しておいたモザイクチェーンから
後半部分がこれと似通ったものを探す。



サンプルがたくさんあれば
似たような変化をするデータもあるだろう、と考えるわけだ。


実際には顔丸ごとそっくりとなる確率は低いので、
目・鼻・口というパーツ単位に分けて行う。
顔全体が瓜二つという状態は少なくても
「鼻だけ似ている」「眉毛だけそっくり」ということは珍しくない。




用意したモザイクチェーンに関しては
元のデータを持っているわけだから、
似通ったモザイクチェーンの写真から
目や鼻のパーツを取り出して合成すれば
実際のものとほとんど変わらない顔写真を作り出すことができる。

まとめ

解像度の高い状態にするために
より粗いモザイクに加工するところがポイントで、
この理屈を聞いたときには非常に感銘を受けると同時に、
なぜこの発想に気づかなかったのか、と悔しい思いをした。

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