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クラウド版キングダム ハーツをプレイしてゲーム設計の進化を痛感した


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スクウェア・エニックスが手がける作品の中でも
かなりの人気を誇る「キングダム ハーツ」シリーズ。
ディズニーキャラクターたちとともに冒険できることもあって
いくつもの続編が発売されている人気シリーズだが、
これまであまりプレイする機会がなかった。


そんな中、Nintendo Switch用に複数の過去作品を同梱した
KINGDOM HEARTS - HD 1.5+2.5 ReMIX」が発売された。




4本のゲームと2本の映像コンテンツが含まれており、
当時それぞれが数千円で売っていたことを考えると
かなりお得なパッケージに仕上がっている。


ただし、本作はゲーム機側ですべての処理を行う一般的な設計ではなく、
インターネット上にあるサーバーが主要な処理を肩代わりし、
最終的な映像情報だけを配信する「クラウドゲーム」になっているのだ。


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クラウドゲームというと「バイオハザード7」で
かなりの苦痛を味わわされた経験を思い出す。


果たしてクラウド版キングダム ハーツはどうだったか、
実際にプレイしてみた感触を書いてみたい。

実際のプレイ状況


通常、最近のゲームデータといえば数GBというサイズが普通だが、
クラウド版キングダム ハーツはわずか77MBしかない。


クラウドゲームの場合、ゲーム機は操作内容を送信し、
映像を受信する程度の処理しか行わないため、
手元にあるソフトは非常にシンプルなのだ。




ちなみにうちのネット環境はLANケーブルを交換したおかげもあって
ダウンロード速度は200Mbps、アップロード速度は11Mbpsほど。
YouTubeやNetflixも不便なく視聴できるし、そう悪くはないはずだ。




とりあえずシリーズ未経験ということもあって
1作目である「KINGDOM HEARTS FINAL MIX」をプレイしてみた。
プレイステーション2向けとして2002年に発売されたものだ。


いざ操作すると、多少カクカクした印象はあるが、
これがクラウド環境のせいなのか、
フレームレートが低いプレステ2時代の仕様なのかはわからなかった。
ただ、クラウド版バイオハザードのときに感じたような
操作に対して反応がモタつくような印象はない


これはもともと本作がボタンの連打だけで攻撃できたり
攻撃対象の敵を狙い続けるロックオン機能を備えており、
手動で照準を合わせるシューティングゲームほど
シビアな操作が要求されないおかげもあるだろう。


この時点では割と好印象だったのだが、
プレイするうちに結構なイライラを感じることになった。

数世代前の古臭さを感じる仕様


画面の解像度はHD環境に合わせて改善されているので
見た目ではそこまでの古さを感じないのだが、
なんせ20年も前に発売されたプレステ2時代のゲームである。


当時はこの仕上がりが普通だったかもしれないが、
それからいくつもの作品が世に登場し、
新しいゲーム機に移り変わる中で
3Dゲームはジワジワと進化していたのだ。
そういった最近の作品と比べると本作はかなり遊びづらい




ジャンプボタンを押すと一旦しゃがみ込む動作が入るので
実際に飛び上がるまでに時間差があってタイミングがつかみにくかったり、
レバーを倒したときの振り向き動作に慣性が効いており、
操作に対するレスポンスが悪い。


また、高さや奥行きといった距離感が掴みにくく、
足場から落ちないように飛び移ったり
何かにぶつからないように避けるときにミスが頻発する。
全体的にカメラワークも悪い。




ちょっと移動するとすぐにイベントシーンになり、
頻繁にカメラが切り替わって操作できなくなるので
どうにもテンポが悪い。


ルートの誘導やミッションの提示も洗練されていないので
次の目的地が非常にわかりにくく、
どこに行って何をする場面なのか迷うことも多い。




敵を倒したときに出現する金や回復アイテムも
最近のゲームと違って
かなり近づかないと吸収してくれない。


総じて、操作性や快適さが低く、
かなりの遊びづらさを感じる
のだ。
3世代前の3Dゲームはこんなにも面倒だったのかと
時代の進化を痛感させられた。


古いゲームの場合、意外にも2Dゲームの方が
最近のゲームとの差を感じずに遊べるのかもしれない。

クラウド形式との相性の悪さ


本作は手動セーブになっており、
ゲームを中断する前にきちんとセーブしておく必要がある。


このセーブポイントがすぐ見つからないこともあって
オートセーブに慣れた最近のゲームと比べると面倒なのだが、
クラウド形式ということが
手動セーブのリスクさらにを大きくしている
のも残念だ。




プレイ中に通信状態が悪くなると画質低下の警告が出るが、
より状況が悪くなると強制的にゲームが中断する
これは通信速度が下がった際にも起こるが、
それだけでなくサーバー側の混雑状況も影響するらしいのだ。


自宅のネット環境が悪い場合はともかく、
ユーザー側にはどうしようもない理由で
プレイが中断されるのはかなり理不尽に感じる。




また、サーバーの不要な混雑を避けるためかもしれないが、
10分ほど操作しないと強制的に終了される仕様になっている。
つまりちょっと席を外して休憩していると
ゲームから弾き出されてしまうのだ。


こういった理由で意図せずゲームが終わる可能性があるが、
なんせ手動セーブなので、だいぶ前の状態からやり直すハメになる。
強制的な終了が起こるクラウドゲームの場合は
ぜひオートセーブの機能は欲しいところ。




こういった遊びづらさや古臭さに耐えきれなくなり、
かなり序盤のボス「トリックマスター」を前に
何度もゲームオーバーになって挫折してしまった。


古い時代の3Dゲームのリメイクでは最近の作品に合わせた仕様の改善、
プレイが中断する危険が常にあるクラウドゲームでは
オートセーブの整備が必須など、いろいろと課題を感じる結果となった。

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