学生の就職活動を間近で見ていると
つくづく「空気が読める能力」って大事だと思う。
空気が読める人は他人に「こいつ何か変だぞ」と
警戒されるのを避けることができる。
一度警戒された相手に安心・信頼を与えるのは非常に大変なので
空気を読んで無闇な言動をしないのが鉄則だ。
そういう行動の仕方を今までに身に付けてきている。
だから学生にもぜひ空気を読む力をつけて欲しいのだが、
空気が読めない人に「空気を読め」と指示したところで
自分のどの言動が「空気が読めない言動」だったのか判断できないため、
その指示は何の役にも立たない。
できるなら空気が読めない言動をするたびに
「今のはアウト」「それはしてはいけない」と
どこからが境界線なのかを気長に教えるしかないのだが、
四六時中見張れるわけでもないし、
たとえ目の前の行動を注意したところで
必ず別の場所で空気が読めない行動をしているのだ。
唯一、四六時中見張ることができて
取った言動をいちいち注意してくれる場所が幼少時代の家庭内なのだが、
親が過保護だったり注意すらしないような放任主義だったりすると
子供は自分の言動を問題視しないまま育つ。
小学校、中学校と進学したときも
未熟な年齢とはいえ、小学生なり中学生なりの空気の読み方があって、
それを違反したときには先生に注意されたり、
友達とケンカしたり、親とモメたりして
徐々に「空気の読み方(=社会性)」を身に付けていくのだが、
不登校とか友達がいないとか親に守られすぎたりしていると
そういう自分の言動に文句を言われる貴重な機会が奪われるので
どんどん空気が読めない人間になっていくんだと思う。
そして20歳近くになる。
学校生活や就職活動の場で「なぜあんなことを?」という
理解不能な学生の言動を目にすることがあるのだが、
それこそがまさに
「空気の読み方を教わらないまま成長してしまった人」なのだ。
その周囲にいる空気が読める学生は
「あいつは変だ」とすぐに察知するのだが、
もはやこの歳になると注意してくれるわけでもなく
とばっちりを食わないために「距離を置く」のが基本。
そうなると空気が読めない人はどんどん孤立し、
さらに空気が読めないことになる。
結局は20歳付近になってから対処しようとしても難しい。
前述したように、おそらくは幼少時代からの注意のされ方が
大きな原因になっているため、
子供のためと思ってやたらと過保護になったり、
子供以外に責任があるようなモンスターペアレントは
実際には子供を不幸にすると思う。
だからこそ家庭内でも厳しく接して欲しいとは思うが
怖いのは親すらも空気が読めないときだ。どうしようもない。
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