プチメタ3.0

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学生同士のチーム制作は仕事以上に難しい


企業では組織全体で成果を上げることが求められるため、
その訓練として、どの学校でも
グループワークを行う課題が用意されている。
しかし、いざ学生同士でチームを組んでも
多くの場合うまくいかないものだ。


これは会社員に比べて学生が未熟だからなのではなく、
学生という立場がグループワークを成立させにくくしている。


なぜ学生チームはうまくいかないのか、その理由を挙げてみる。

上下関係がない

同級生でチームを組んだ場合、
立場が等しいために上下関係が生まれないが、
これが物事を決定しづらいという問題につながる。


そのため、意見が衝突すると議論が長引くし、
意見が採用されなかったメンバーにわだかまりを生む。


また、学生は意思決定のために「多数決」という手段を使いたがるが、
少人数グループでの多数決は精度が悪いだけでメリットがないし、
わずかな人間だけが思いついた良案を潰してしまう。


会社なら経験や視点の違うメンバーが混ざるため
意見の良し悪しを正しく判断できる確率が高まるし、
上長が決定権を持っているため、その決断に納得できなくても
上長が恨まれるだけでメンバー間の遺恨にはつながりにくい。

個人ごとに作業時間が異なる

学生に対して出された課題の場合、
授業以外の時間も含めた作業が想定されていることが多い。
そうなると「1日のうちどのぐらい作業するか」が
学生ごとに異なってくる。


1日5時間も作業するメンバーもいれば
1日30分しか作業しないメンバーもいる。
その結果、同じ日数での作業量に大きな違いが生まれるし、
依頼した側が見込んだ期限までに作業が完了しないトラブルも発生する。


会社なら1日8時間などと労働時間が決められているし、
それを勝手にオーバーすることも認められないので
人によって作業時間に違いが出るということが起こらない。

問題行動に対するペナルティがない

アルバイトや遊ぶ時間も削って作業した学生からすれば
ほとんど作業時間を設けようとしない学生は腹立たしい存在だ。


また、特定のメンバーの実力が低いせいで
重要な作業を任せられない場合も
作業負荷に大きな偏りが出て不満が生まれる


ただ、そういったメンバーがペナルティを受けることはなく、
チームに対して役に立っていないからといって
退学になったり進級できないほどの成績がつく可能性は少ない。
会社なら役に立たない社員は担当から外されるだろうが、
学生チームの場合は個人の良心に頼るしかない。

チームの戦力が下がらないようにする仕組みがない

問題のあるメンバーをチームから抜いたとしても
他の学生はすでにどこかのチームに所属しているので、
抜けたメンバーの分が補填されるような仕組みはない。
つまり役に立たないメンバーの分だけ戦力は下がったままだ。


会社なら新たな社員を雇って不足している枠を埋めるため、
チームの戦力が維持されるようになっている。

貢献度に比例する対価がない

学生のチーム制作は最終的な提出物や発表会で評価される程度なので、
各メンバーがどの程度の貢献をしたか測ることは難しい


場合によっては学生自身の自己申告や
代表者が各メンバーを評価するような場合もあるだろうが、
保身や互いの関係性の方を優先する学生が大半なので
それほど信頼できず、成績に対する影響は低い。


また、成績は天井が決まっているので
どれだけがんばろうが最高値を超えることはできず、
満点以上の努力には見返りがない。


会社なら生み出した成果や実力によって
昇給や昇進といった報酬が与えられるし、
場合によってはより待遇のいい会社へ転職する道もある。

まとめ

上記のように、学生同士のチーム制作では
不満を生まずに作業し続けるのが非常に難しい
何らかの理由でメンバー間のバランスが少し崩れると
誰かが意欲を失う可能性があり、それがさらなる不満を生む。


仲がいい者同士や実力が高い者同士で安易にチームを組む学生が多いが、
1日あたりどれぐらいの時間を作業にあてるか、
意見が衝突したときにはどのように決定するかを
最低でも確認し合った上でチームを組む方が安全だ。


意気揚々とチームを組んでいた学生たちが
徐々に関係性を悪化させて崩壊する姿はもう見たくない。

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