プチメタ3.0

刺激を受けた物事に対する感想や考察、資産運用や英語学習、自己成長に関することなど。


4月26日に学生たちのパソコンが一斉に沈黙した話


この時期になると受け持っていた大半の学生の
パソコンが動かなくなった20年前の事件を思い出す。


忘れもしない4月26日の朝、
ひとりの学生が職員室に飛び込んできて
「パソコンが起動しなくなった」と相談してきた。


ちょうどすぐあとに出向くクラスだったため、
「このあとの授業で見てみるよ」と返答して教室に帰したが、
そのあとも同じ相談を持ち込む学生が何人も続いた。


教室に行ってパソコンが起動しない人をチェックすると
クラスの大半の学生が手を挙げる。壊滅状態。
パソコンが動かなければ授業を進めることはできない。
その日の授業はパソコンの復旧作業の解説に切り替わった。


その後の聞き込みで発覚した真相はこうだ。


2000年頃はまだインターネットがそこまで普及しておらず、
自由にネットを利用できる人はかなり限られていた。
そんな中、パソコンに詳しい学生のひとりが
インターネットでゲームを手に入れて遊んでいた。


それを見た同級生が羨ましがったので
その学生も悪くない気分だったのだろう。
親切にもそのゲームをコピーしてあげたのだ。
「無料でゲームが遊べるなんて!」とコピーを希望する者は尽きず、
学生から学生へと次々にゲームが広がっていった。


しかし実はそのゲームはウイルスに侵されていたのだ。
実行ファイルの中に潜み、コピーされることで次々とパソコンに感染して
4月26日を迎えるとデータを破壊する、
チェルノブイリ」と呼ばれるウイルスだ。


s.netsecurity.ne.jp


新年度が始まって間もない時期だったので
消えてしまったデータはそこまで重要なものではなかったし、
授業でクラス全体に復旧作業の説明ができたので
その日のうちに学生たちのパソコンは直ったが、
出どころの怪しいソフトの危険性やウイルス対策の重要性を
実体験で痛感する機会となった。

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