プチメタ3.0

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説明能力が低い人の話のどこがわかりにくいのかを解説する


面接が苦手な学生が必ず悩むのが「説明力不足」だ。


文章であっても口頭であっても
発信側の説明能力が低いと受信側に負担がかかる。
逆に、テキパキとわかりやすく説明できる人は
それだけで頭がよく、高い実力を持っている印象を与えるので
人望や信頼が集まることになる。


どんな立場にいる人も説明力は鍛えておくべきだが、
「説明力を身につけろ」と言われたところで
何が問題でどう直すのかわからないだろう。


そこで、「桃太郎」のストーリーを
端的に説明する例を挙げながら修正してみる。

説明能力が低い人の「桃太郎」の説明

桃太郎はキジを家来にしようとするんですけど、
そのためにきび団子を使って……、えっと…、
いや、違いました。それより前に猿か犬の方を仲間にしています。
きび団子は確かおばあさんが作ってくれたんです。


それで、みんなで鬼ヶ島に行って鬼を倒して
最後はみんなで幸せになるんです。


桃太郎に関連する情報は確かに語られているが、
断片的で順序立てた説明とは言えない。
細かくダメ出しをするなら以下のように添削する。



説明能力が低い人がよくやるミスとして、
頭に思いついたものから口に出してしまい、
聞き手の理解がどのぐらい進んだかを意識できていないこと。


情報は適度にそぎ落とすべきだし、
説明が必要な固有名詞はなるべく避けるべきだ。
本題を理解をするために必要な前提知識を先に説明したり、
イメージを共有しやすい単語選びをしたり、
抽象化と具体化のバランスをうまく調整するのも大切。


このあたりが配慮されていないと
説明を理解するのにエネルギーを使うので、
「この人と話をすると疲れる」という印象を持たれる。

説明能力が高い人の「桃太郎」の説明

桃太郎がどういう話かを理解させるなら
以下のような説明で十分だろう。


とある村でおじいさんとおばあさんに育てられた少年が
犬や猿を仲間にしながら旅をして
村人たちを困らせていた鬼を退治する話です。


さきほどの悪い例に比べて文章は短くなっているのに
内容は伝わりやすくなったのではないだろうか。


ポイントは説明したい内容を洗い出し、
優先順位をつけて要点をまとめること。



聞き手の混乱を防ぐために不要な情報が省かれ、
密度の高い情報が理解しやすい順に並んでいる。

わかりやすい説明文の作り方

こういった適切な説明文を作るには
まず説明したい情報を箇条書きにしてみる。


★おじいさんとおばあさんが2人で住んでいた。
・おじいさんは柴刈りに、おばあさんは洗濯に行った。
・川から桃が流れてきた。
・桃を割ると赤ん坊が出てきた。
★2人は赤ん坊を引き取って育てることにした。
・赤ん坊は「桃太郎」と名付けられた。
・赤ん坊はすくすくと育った。
★たびたび村人を困らせている鬼がいる。
・鬼は鬼ヶ島に住んでいる。
★桃太郎は鬼退治のために旅に出た。
・おばあさんはきび団子を作った。
★きび団子を使って犬、猿、キジを仲間にした。
★桃太郎たちは鬼を退治した。
・鬼がため込んでいた宝を持ち帰った。
・みんな幸せになった。


そしてこれらの情報に優先度をつけ、
不要な情報をそぎ落としてしまう。
どのぐらいの時間をかけて説明するかにもよるが、
端的に説明するなら★印の項目だけで十分だろう。


あとは残った情報を時系列に並べる。
また、説明内容によっては
抽象的なものから具体的なものへと並べる。


説明がうまい人はこの作業を
頭の中でリアルタイムに行っているが、
いきなり習得するのは難しい。

説明能力を鍛えるトレーニング方法

そこで「物語をあらすじ化する」という訓練を提案したい。
世の中にあるマンガ、映画、ドラマ、小説など
いろいろな作品の中から自分の好きなものを要約してみるのだ。


映画の内容を最初から細々と説明していると2時間もかかってしまう。
あらすじとして端的に説明するなら
その作品の世界観や特徴的な設定、
主人公の置かれた状況や主題などを適切に見抜く必要がある。


作品のことを知らない人に
正しいイメージを伝えるにはどういう単語を使うべきか、
ネタバレにならないよう注意しつつ
その作品の特徴的な部分を説明するにはどうすればいいか、
こういったことを考えることが非常に有効な訓練になる。


そしてその作品をWikipediaで検索すれば
概要欄やあらすじの項目がそのまま解答例になる。


就職活動では自分の長所をアピールしたり、
仕事なら専門的な情報を説明する必要があるだろうが、
自分の好きな作品のあらすじすら言えないようなら
それ以上に難しい説明などできるはずがない。


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私が日々書いている本や映画のレビューでは
冒頭の数行でその作品の概要をまとめるように心がけているが、
数千件を書いてきた今でも毎回時間をかけて悩む。
それほど、端的に説明するというのは難しいのだ。


説明能力の不足に悩んでいる人は
まずは好きな作品を適当に選んで
そのストーリーを要約するところから始めるといいだろう。



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