プチメタ3.0

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就職面接で不合格になる12の失敗パターン


目指す業界にもよるだろうが、
そろそろ就職活動が本格化する時期に入り、
私の教え子たちも面接に呼ばれる者が出てきた。


毎年、何人もの学生の面接練習に付き合っているが、
おおよそ問題になる部分は共通しているので
よくある失敗例と考え方を解説してみる。


オンライン面接の環境が整っていない

コロナ禍以降、オンラインでの審査が各社で整備され、
ZoomやGoogleMeetなどを使った
ビデオ面接形式で行う場合が増えてきた。


今の就活はインターネットの活用が欠かせないため、
安定した通信環境とビデオ面接ができる部屋は必須


保護者がネットを重要視しない家庭があったりするが、
まともな通信ができない場合は審査そのものが成り立たないので
まずはネット環境をしっかり整える準備をすべき。

声が小さい

「長所はどこですか?」
       ↓
私の長所は問題解決能力がある部分です。学校で行われたチーム制作では~


緊張や自信のなさから声が小さくなってしまうのだろうが、
アピールすべき場面では損にしかならない。
「自信がないから声が小さくなる」を裏返せば
声が大きいだけで自信があると思わせることができるということだ。


声を出すというわずかな努力で大きな効果が得られるため、
自信の有無にかかわらず、とにかく大きな声を出すべきだ。

定期的に言葉が詰まる

「長所はどこですか?」
       ↓
「私の長所……は、……物事を………客観的……に見れること……です」


詐欺師はサラリと嘘がつけるからこそ信用されるわけで、
言葉に詰まりながら説明しても
真実ではない内容を捏造しているように思われてしまう。
発言を信用させるならスムーズに話すのがベストだ。


言葉に詰まるのは話す内容を考えているからだろうが、
今話す内容を今考えていれば追いつかないのは当然だ。
楽器の演奏者が今弾いている場所より少し先の楽譜を見るのと同様、
今話していることよりも少し先の文章を
リアルタイムに組み立てていく
必要がある。


そのためには頭の中をいくつかに分離し、
「これから話す内容を考える」
「考えた内容を発言していく」
「何を話したのかチェックする」の3つを
並行して処理していくイメージを持つべきだ。


また、これができないくせに緊張で早口になったりすれば
次の文章を考える余裕がよりなくなっていく。

結論を後回しにする

「アルバイトはやってますか?」
       ↓
「私は他の人よりも物事の習得に時間がかかります。
 どうしてもプログラマーになりたい気持ちがあり、
 専門学校で学習する内容を確実に身につけるために
 勉強する時間を可能な限り確保したかったので、
 アルバイトはやっていません」


質問に対する直接的な答えがわからないまま
ずっと耳を傾けるのは聞く側を疲弊させるし、
後ろめたさを言い訳でごまかそうとしているように思われる。


どんな理由があろうが、まず結論を言うべきだ。
同じ理由を伝えるにしても
先に結論を言った方が相手を安心させるし、
答えを先延ばしにしたがっているような印象を避けられる。

根掘り葉掘り聞かないと情報が出てこない

「アルバイトはやっていますか?」→「はい」
「どんな内容ですか?」→「居酒屋です」
「どのぐらいの期間やっていますか?」→「だいたい半年ぐらいです」


面接というのは自分を売り込むための場所なのだが、
尋ねたことしか答えない受験者だと面接官が疲弊するし、
いざ入社してからも周囲がいちいち聞いてあげないと
必要な情報を報告してこないような印象を与える。


面接官の質問は話し始めるきっかけでしかないわけだから、
「アルバイトはやっていますか」と聞かれたら
「はい、居酒屋で半年ほどアルバイトをしています。
 そこでは次々とやってくるお客さんをさばくために
 いかに効率よく作業するかを常に意識するようにしていて~」
などと、アピールし終わるまで一気に語って欲しい

余計な情報を混ぜる

「アルバイトはやってますか?」
       ↓
「はい。家の近くに値段の安い居酒屋があり、
 交通費も支給されるということで働くことにしました。
 次々とやってくるお客さんをさばくために
 いかに効率よく作業するかを常に意識するようにしていて~」


「家の近くにある」「値段が安い」「交通費が支給される」など
アピール内容と無関係な情報を混ぜられると
聞いている側が取捨選択する負担が増える。


映画で意味ありげに描かれた場面が
何の伏線にもならないとモヤモヤするように、
不要な情報を説明に混ぜる人は能力が低く見られる。
伝えようとしているアピール内容を
理解するのに必要な情報だけを提示する
べきだ。

一問一答形式で回答を準備している

「長所はどこですか?」と聞かれれば答えられるのに
「他人に負けないと思うところはどこですか?」だと答えられない。


どちらの質問も長所を答えればいいだけなのだが、
「『○○』と聞かれたら『▽▽』と答えよう」などと
質問と回答をセットにして準備をしてしまうと、
いざ想定していない聞き方をされたときに言葉に詰まる。


相手がどういう質問をするかはどうせ予測しきれないので
表面的な文章にいちいち惑わされず、
どういう方向性の答えが求められているのかを考える
のが正しい。

質問をストレートに受け取りすぎる

「周囲の人からどんな人だと言われますか?」と聞かれると
「周りの人に自分の印象なんて聞いたことがない」と思ってしまう。


普通の学校生活を送っている限り、
自分の印象を誰かから聞くことなんて無くて当たり前だ。


この質問は
「周囲からどんな人だと言われていることにしたいか」
と考えるべきあって、要するに
「リーダーシップが取れる人」
「自分から進んで行動する人」
「常に勉強する姿勢を維持する人」など、
自分の長所をアピールするだけでいい。


これ以外にも
「なぜ今の学校を選んだのか」
「チーム制作ではどんな活躍をしたか」など
面接官には事実を確認しようがない質問は
いちいち実際の理由や経験を思い返すのではなく、
どんな人間だと思わせたいのかを今考えて答える
だけでいい。

アピールをせずに話を終える

「プログラムの『可読性』とは何かを説明してください」
       ↓
「はい。ソースコードの読みやすさのことです。
 マジックナンバーの使用を避けたり
 変数名や関数名を直感的なものにするなどが該当します」


これで質問に無事答えられた、と考える受験者が多いが、
プログラマーでもある面接官が
専門用語の意味を知らないとは思えないし、
仮にそうであっても受験者に相談することはないはず。


ということは、この質問は
「可読性が何かを理解しているか」
「なぜ可読性が重視されるかを理解しているか」
「可読性の高いプログラムを書くことはできているか」
ということを問うためのもののはずだが、
前述したやり取りでは1番目にしか回答できていない。


その質問によって何を確かめたいのかを素早く察知し、
面接官の意図を正確に汲み取った返答をすべき
だ。

自分が得することを前面に出した志望動機を語る

「福利厚生が充実していたため御社を志望しました」
「御社なら大きな成長ができると考えました」


利益を上げることが一番の目的なのに
「魅力的な福利厚生を味わいたい」「成長したい」と言われて
喜んで給料を払うような会社があるだろうか。


サービスを受けたいなら金を払うべきだし、
成長したいなら授業料を払って学校に行けばいい。
給料をもらいつつ得をしたいなんて虫が良すぎるし、
仮にそうだったとしても相手に正直に伝える必要はない。


スマートフォンを買ってもらいたいからといって
「友達とゲームしたいからスマホ買って」と
正直に親に伝える中学生がいるだろうか。
子供でもその程度の知恵は働く。


給料を払った対価が得られないなら採用するわけがないので、
相手にメリットのある志望動機を用意しておき、
「この人を採用すると会社の得になる」と思わせる必要がある。

業務で役立つことが想像できない

「いろいろな人と笑顔で接するよう努力をしてきました」
「自分の力で多くの人を幸せにしたいと思います」
「経営理念に共感しました」
「プログラミングが大好きです」


聞き心地がいいように思えるかもしれないが、
採用する価値があるかどうかをドライに判断する面接官にとって
ほとんど意味がないアピールばかり。


笑顔で接することは人としては好ましくても
仕事として役立つのは接客業ぐらいだろうし、
多くの人を幸せにしたいなら寄付でもすればいい。
「経営理念に共感した」なんて嘘くさいアピールの代表例で
具体的にどう利益を生み出してくれるのかが伝わってこない。


音痴なくせにカラオケ好きな人がいるように
「好き」というのは本人の満足度を表す感情でしかないわけで、
プログラミングが大好きだと伝えたところで
「得意」「優れている」ということにはならない。


具体的に仕事でどう役に立つのかを伝えてこそアピールなので、
なんとなく体裁のいい表現を使っただけでは効果がない。

同じ内容のアピールを繰り返す

「自信のあるところはどこですか?」→「リーダーシップです」
「あなたの長所はどこですか?」→「リーダーシップです」
「他人に負けないところはどこですか?」→「リーダーシップです」


面接の大部分は長所を発表する時間なので
できる限り多くの長所を用意して挑むべき
なのだが、
異なる質問に対して同じ長所が語られると
「もうネタ切れなんだな」と判断されて面接が打ち切られる。


「『自己PRして』と聞かれたら、履歴書に書いた内容と
 同じものを発表しないとマズイか」と聞いてくる学生がいるが、
面接官は履歴書の文章を音読して欲しいわけではないので
むしろ同じ内容を発表する方が問題だ。


履歴書だけでは語り切れなかった長所を面接で聞きたいわけだから
簡単に底が見えることがないよう準備をすべき。
「聞いてくれればまだまだアピールできるのに」と思わせつつ
面接時間の関係でやむなく終了するのがベスト。

まとめ

いろいろと書いたが、ポイントは2つだけ。


ひとつは面接官のエネルギーをなるべく消耗させないこと


声が小さい、頻繁に言葉に詰まる、何度も質問させる、
話が長い、説明がわかりにくい、なかなか結論を言わない。
これらはすべて面接官の疲労を誘う。


エネルギー切れになった面接官は
(聞いているような顔をしたまま)何も耳に入れなくなるので、
いかに相手に配慮した話し方ができるかが重要だ。


スムーズでわかりやすく聞き取りやすい発言を心がけ、
聞き手のエネルギーをなるべく消耗しないようにする。
これはプレゼンテーションの基本だ。



もうひとつは給料以上の価値がある人材だと信じさせること


会社が誰を採用すべきかを考えるとき、
払った給料以上の価値が得られるかどうかが基準となる。
いかに立派な経験談を語ってもそれは過去の話でしかないため、
入社後にどう役立つのかが説明されなければアピールにはならない。


面接は「聞かれた質問に答える場所」ではなく、
「返答を通して自分の価値を信じ込ませる場所」なのだ。


それを理解していない人は
「無事に答えることができた」という間違った感触に安心し、
理由がわからないまま不合格を喰らう。


この面接の本質をしっかりと理解して対策を取るべきだ。



mclover.hateblo.jp

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