私が一番愛した犬、ペル。メス。
たぶん高校生ぐらいのときに撮った写真。
ピントがズレてて芝生に合ってる。
ペルはめちゃくちゃ愛想がよかった。
手を出していると永遠に舐めてくる。指がベチャベチャになる。
でも知らない人には吠えまくる。
予防注射が怖くて、注射されると毎回おもらしする。
洗濯バサミの引っ張り合いと
ゴルフボールの取り合いが好きだった。
突然欲情してキスしてくる。
嫌がっているのに何回もくちびるを奪われた。
そんなペルの母犬、チビ。
小学１年生のとき、５万円で買った柴犬。
３万円を私のお年玉から、両親が１万円ずつ出した。
これは買った直後に父が撮った写真。
これまたピントがズレてて背景くっきり。私の顔も切れてる。
買ったあと嬉しくて教え込んだ「おすわり」だけできる。他はできない。
エサが欲しいときは指示する前におすわりする。
よく庭から逃げ出した。そして数日後に帰ってくる。
子犬を産むこと数回。父親不明。
私が中学生のときに死んだ。死ぬとき一緒にいた。
夕方５時頃、死ぬ直前に私の方に顔を向けた。泣いた。
庭にでかい穴を掘って埋めた。
土をかけていたら母親が仕事から帰ってきた。
「わふっ！」ってなってるペル。目が綺麗。
チェーンにつないで外飼いしてたけど
柱にぐるぐる巻きになりそうになったら
ちゃんと反対回りに回ってほどいていた。かしこい。
でも母犬とは仲が悪い。
母犬をかまっているとすごく怒る。やきもち焼き。
この写真のときはちょうど夏へ向けて毛が抜ける時期で
首とか肩とかが汚い。よく抜いてあげた。庭中毛だらけ。
庭で生まれて庭で死んだ。泣きながら庭に埋めた。
もっと散歩に連れて行ってやればよかった、
もっともっと遊んでやればよかった、と今でも後悔している。
犬は今でも好きだけど、
ペルを超える気持ちは湧いてこない。
たまに夢に出てくる。再会できると嬉しい。
