アメリカに行ったとき、レストランでコーラが飲みたくて
ウェイターに「Colaをください」と告げたら
「ColaはないけどCokeかPepsiならあるよ」と言われた。
いや、だからそれコーラじゃん。
コカ・コーラが「Coke」と呼ばれていることは知っていたけど
私はコカ・コーラでもペプシコーラでもそれ以外でも
とにかくコーラが飲みたかったから「Cola」と表現したのだが、
どうやらアメリカ人にとって
Colaの中にCokeは入っていないのだ。
だから「Colaをください」と言った私は
CokeでもPepsiでもないマイナーなコーラを
欲しがっているように見えたのだろう。
どれもコーラなんだからわかってくれよ、と一瞬思ったが、
よく考えたら日本人だって「お茶ください」と頼んで
紅茶が出てきたらかなりギョッとしてしまう。
日本人が言う「お茶」には
普通、抹茶や紅茶は含まれていないのだ。
「お茶ください」と言われて何も用意がなければ
「紅茶かコーヒーならあるけど…」みたいな
返答をしてしまうだろう。だからそれお茶じゃん。
つまり、言葉としての正しさよりも
意思疎通しやすい表現方法が優先されるのだ。
コーラを頼むときにメーカーまで指定する日本人は少ないけど、
「あったかいお茶ありますか?」と聞いてきた場合は
熱々のウーロン茶や麦茶を望んでいるわけではないとわかる。
外国語を学ぶときにはこういった文化背景や習慣も
ひっくるめて慣れていかないとなかなか使いこなせない。