私が高校生だった頃、父は46歳。
つまり今の私の年齢だったわけだが、
そう考えるとすごく違和感がある。
父は出会ったときから父だったし、
家を建てて、車を運転して、仕事をして、
ゴルフをして、ビールを飲んで、プロ野球を観るという
最初から「ちゃんとした大人」だった。
それが当たり前すぎて疑いもしなかった。
しかし、いざ自分が同じ年齢になってみると
家を買おうと思うととてつもない覚悟がいるし、
子供を育てる責任感には耐えられないだろうし、
仕事がうまくできるか毎日ヒヤヒヤしている。
必死で「ちゃんとした大人」を維持している。
まだまだわからないことだらけだし、
資産としても実力としても満足できていないし、
精神的な感覚は20代とほとんど変わっていない。
父もこんな気持ちで毎日を過ごしていたのだろうか。
私に父としての顔を見せながらも不安を抱えていたのだろうか。
あの頃の父に出会っても同い年なんて信じられない。