自動運転車の実現が近づくにつれて、
犠牲が避けられない状況でのジレンマを表した
トロッコ問題が取り上げられる機会も増えた。
たとえば車を運転中、左の車線にはノーヘルのヤンキーが乗った原付、
右の車線にはヘルメットを被った大型バイクが並走していたとして、
目の前に子供が飛び出してきてブレーキが間に合わないときに
そのまま直進するか、どちらかにハンドルを切るかだ。
ヘルメット着用のバイクならぶつけても助かるかもしれないが、
きちんとルールを守っていたせいで犠牲にされるのは妙な気もするし、
ヤンキーなら殺してもいいという理由も短絡的だ。
飛び出してきた子供には過失があるが将来もある。
モラル・マシンはそんなジレンマを
強烈に実感できるWebサイトだ。
「審査を始める」ボタンを押すと
横断歩道に車が迫る2つの状況が提示され、
どちらの選択が「マシ」かを答えされられる。
「解説を表示」ボタンでは犠牲者候補のステータスが表示され、
社会的地位や身体的特徴、信号の状態がわかるようになっている。
どちらの選択でも必ず被害者が出るのだが、
何を理由に「仕方がない」と判断するのかが難しく、
次第に自分を納得させる理由を探していることに気づく。
全13問を答え終わると
自分が優先している対象の傾向が表示され、
平均に対してどのぐらいズレているかもわかる。
残酷で悪趣味なテストではあるのだが、
自分の倫理観や価値観を振り返る意味でも
試してみると新しい発見ができる。