初代プレステ時代に出会った名作ゲームのひとつが「moon」だ。
王道RPGを皮肉ったさまざまな風刺、
粘土で作られた愛くるしいモンスター、
逆再生したような何を言っているかわからない音声、
時間や曜日に合わせて個々の生活を送る住人など
そこに詰まった斬新過ぎる内容にいちいち衝撃を受けた。
そして序盤に訪れる場所、
「おばあちゃんの家」がたまらないのだ。
ゲームの世界に入り込んだ主人公は
誰にも気づかれない透明な姿で途方に暮れるのだが、
目の見えないおばあちゃんだけはその存在に気づいてくれる。
そのおばあちゃんの家に入ると流れるBGMが
ドビュッシーの「月の光(Clair de Lune)」なのだ。
切ない印象と優しい雰囲気が絶妙で、
家に訪れるたびに盲目のおばあちゃんが
優しく迎えてくれる様子にベストマッチしている。
非常に有名な曲なので、あちこちで使われているが、
プレイしてから20年が経った今でも
この曲を聞くと「moon」を思い出してしまう。