私も別に無料奉仕が好きなわけではないので
創作活動の対価がもらえるに越したことはないのだが、
たとえ100円であっても有料にすることで
一気にプレイしてくれる人が減るため、
今まで作った作品はすべて無料で公開している。
収益化する手段の模索
それでもなんとか収入につながらないかと
いくつかの工夫をしている。
うちひとつがカンパの受け付けだが、寄付してくれる人なんて
1000人に1人いるかどうかぐらい(たぶんいない)なので
ごくごくまれに投げ銭がもらえる程度で誤差みたいなものだ。
そうなると安定した収入は「広告掲載」ぐらいになる。
ネット広告が収入に結びつくタイミングは主に3つ。
A.広告が表示されたとき
B.広告がクリックされたとき
C.広告をクリックした先で商品を買ってもらえたとき
一番単価が高いのがCなのだが、当然ながら成立する確率は低いし、
謎解きブログはゲームなのでこのタイプの広告は載せたくない。
次に単価が高いのがBだが、
いまどき広告をクリックする人はなかなかいないだろう。
ダウンロードや次のページを表示するボタンと誤解させて
無理やりクリックさせるような方法も取りたくない。
そうなると単価は安いが
ハードルも低いAが一番現実的といえる。
広告の表示回数を稼ぐ工夫
表示回数に応じて対価が支払われる広告の場合、
いかにブログをたくさんの人が見てくれるかが勝負だ。
私が書いた記事を100人が見に来るより
1万人が見に来てくれた方が収入がずっと多い。
しかし1万人が読むような記事はそう簡単には書けない。
そこで謎解きブログが生まれた。
1万人を呼び込める記事がなくても
100人が100ページを見てくれるなら同じだ。
訪問者の数は少なくても1人あたりの回遊率が高ければいい。
謎解きブログは舞台から脱出するために
いくつもの記事を移動することになる。
どれぐらい迷ったかにもよるが、
おおよそクリアまでに80ページほど移動する。
100人が遊べば延べ8000ページだ。
つまり表示回数に比例して対価が支払われる広告と
すごく相性がいいコンテンツなのだ。
それでも開発の手間には見合わない
広告の単価は流動的なので一概に言えないが、
プレイヤー1人がゲームをクリアするまでに
80ページほど見てくれたとしても広告収入は10円未満だ。
クリアまで行かずに途中離脱する人もいることを考えると
よほど大勢が遊ばない限り、中学生の小遣いにも及ばない。
中には広告をブロックする設定をしている人もいて、
そうなるとゲームがいくら遊ばれても
制作者側には1円の得も生まれない。悲しい限りだ。
そもそもGoogle広告の審査になかなか通らない
表示回数によって報酬が支払われる広告といえば
Googleが提供する「Googleアドセンス」なのだが、
サイトごとに審査をクリアする必要があり、これが非常に難しい。
謎解きブログの第1弾「夜の小学校」も
当初はまったく審査に通らなくて
代わりに単価の非常に安い他社の広告を載せていたが、
公開5年目にしてやっとGoogleの審査に通ることができた。
先日公開した謎解きブログ第2弾「100階建ての無人ホテル」は
今のところ「サイトの有用性が低い」と判断されて
7回目の申請が却下された状態で、
無事に広告収入を得られるようになる気配がない。
いろいろと工夫はしているつもりだが、
もしかしたらずっと広告掲載ができないままかもしれない。
(今は仕方なく利益のかなり低い広告を載せている)
クリエイターが対価を得ることは認められるべき
創作活動をしている人が広告収入を得たり
寄付を受け取ったりすることについて
妙に拒絶反応を示す人がいるが、
クリエイターも生きていくには金が必要なので
対価を得たいという欲求は当然だ。
それでも作業時間に見合う金額にはまったく届かないし、
収入を目的にするといい作品が作れないので、
ほとんどのクリエイターは
あくまで創作意欲を満たすために活動している。